その名の通り名古屋市の北部で、北区・西区と隣接する北名古屋市。ここでは、そんな北名古屋市の土地相場情報を紹介していきます。
■北名古屋市の土地は平均10万3075円/m2
北名古屋市の
土地購入の平均価格 |
10万3075円/m2 | 坪単価:34万0743円 |
(全国平均) | 14万9978円/m2 | 坪単価:49万5796円 |
(同県(都)平均) | 15万5071円/m2 | 坪単価:51万2632円 |
最も高い地域:西春 | 11万7642円/m2 | 坪単価:38万8902円 |
まず、北名古屋市の土地購入の平均価格を見ていきましょう。これは、国土交通省に登録される「地価公示」の数値と県庁による「地価調査」の数値に基づいて、独自に算出されているデータです。平成27年で見てみると、10万3075円/m2(坪単価:34万0743円)。
平 成27年の全国平均が14万9978円/m2(坪単価:49万5796円)、愛知県内の平均が15万5071円/m2(坪単価:51万2632円)ですの で、それらと比べると若干地価は低くなっています。とは言っても、愛知県の場合、名古屋市のみが県内平均を大きく上回り、それ以外の市はすべて平均以下に なっていることは考慮に入れておくべきです。
地価をエリア別に分析すると、最も高額なのは西春エリアで11万7642円(坪単価:38万 8902円)、次いで徳重・名古屋芸大エリアと、いずれも名古屋鉄道・犬山線の駅周辺となっています。平成27年の公示地価で最も高額だったのは、「西之 保西若12番」で13万9000円/m2(坪単価:45万9504円)でした。
宅地と商業地との地価の違いを見ると、宅地の平均価格は10万2173円/m2(坪単価:33万7764円)。商業地の平均価格は13万0333円/ m2(坪単価:43万0853円)となっています。
■交通アクセス良好なアートの街、北名古屋市
名古屋市の都心部から10km圏内と、極めて近いエリアに位置する北名古屋市。面積は約18km(南北に約4km、東西に約6km)で、市としては非常にコンパクト。愛知県内では4番目に小さい市です。
北 名古屋市が市制施行したのは平成18年のこと。明治には20以上の村が点在していましたが、昭和には東エリアの師勝町と西エリアの西春町という2つの町に 合併され、その後統合されて北名古屋市となりました。この名称は公募によって選ばれたもので、国際的な観点からも所在がわかりやすいようにと名付けられま した。
この市域の人口は昭和35年から昭和55年までで約5万人増加と大きく伸び、平成27年現在で約8万4000人。今後も増加が期待されています。
都 心部と市内を結ぶ交通機関としては名古屋鉄道・犬山線があり、西春駅と徳重・名古屋芸大駅という2つの駅を有しています。どちらの駅からも10分程度で名 古屋駅周辺の商業エリアにアクセス可能。また、便数は少ないものの、北は青森から南は熊本まで就航している県営名古屋空港へも市中心部から車で15分程度 と、交通の便は非常に良いエリアと言えます。
この交通アクセスの良さから様々な分野の企業が居を構えていますが、市としては市民生活と共存 できる産業として、環境配慮型の先端産業の誘致に取り組んでいます。具体的には、環境エネルギーやナノテクノロジー、バイオテクノロジー、航空宇宙など。 近隣にはJAXAの研究拠点があるため、特に航空関連産業の進出を見込んでいます。
芸術分野では、アートのある街づくりに積極的。名古屋芸術大学近隣の道路約1.5kmは「アートエリアロード」と名付けられており、教員や学生の作品が並ぶほか、モニュメントなど約50点の作品が市内の街路に点在しています。
大きな商業施設やエンターテイメント施設はありませんが、住民に親しまれる「食のアウトレットモール」や「北名古屋市歴史民俗資料館」などが観光名所として知られています。
■北名古屋市の土地評価額の動向
過 去10年間(2006~2015年)の平均地価データを見ると、2008年に10万4157円/m2(坪単価:34万4321円)を付けてピークを迎えま すが、そこから2011年までは下落傾向。2012年でわずかに上昇するも、翌2013年には再び下落。2014年で3.42%の上昇に転じ、2015年 も引き続き上昇しています。2015年の地価を対前年比で見ると、0.26%の上昇がみられました。
この10年間での価格の振れ幅は5000万円/m2ほどで、目立った値動きのなかったエリアと言えそうです。
■北名古屋市の地価ランキングは全国166位
それでは、改めて北名古屋市の地価を他の市町村と比較してみましょう。全国順位で見ると1731市町村中、166位にランクされており、愛知県内の順位は54市町村中、12位。また、対前年比の地価上昇率0.26%は全国で293位、愛知県内では28位でした。
あくまでも目安として同程度の価格帯の地域を見ると、県内では岡崎市や尾張旭市、全国から探していくと、大阪狭山市(大阪)、秦野市(神奈川)、吉川市(埼玉)などと近い数値となっています。
■総括
北 名古屋市では、西春駅周辺や徳重・名古屋芸大駅周辺を中心とした再開発目標を立てていますが、これは商業施設の誘致というよりは、バリアフリー化や景観形 成などを目指したものです。この開発が完了したからといって、短期的に地価が高騰するとは考えにくいところがあります。
ただし、生活環境の快適化によって人口の流入があれば、長期的には地価が緩やかに上昇していく可能性はあります。また、超短期的に見ればリニア中央新幹線開通予定による名古屋市の地価高騰の余波により、北名古屋市内の地価が高騰する可能性も残しています。