吹き抜けの開放的な大空間を彩る「吹き抜け窓」。採光やデザイン性だけではなく、窓から見える青空や緑の景色など、外とのつながりを楽しませてくれます。広々とした吹き抜けに合うおしゃれな窓のある新築をつくるには、どんなことに注意すればよいのでしょうか?
今回は、吹き抜けという場所特有のメリット・デメリットを活かした窓の選び方、カーテンや照明を使った光の調節方法、難しいお手入れの仕方など、人気の吹き抜け設計を新築に導入したい方の疑問や不安にお答えしていきます。
日当たりが不十分な土地の採光や限られた空間を広く見せるのにも効果的な、吹き抜け窓の魅力や新築時のかしこい選び方について見ていきましょう。
Contents
1.おしゃれな内外観をつくる吹き抜け窓
大きな吹き抜け窓のある外観や高窓から取り込まれた光が広がるLDKなど、窓のデザインが素敵な新築は魅力的ですよね。
おしゃれな内外観をつくる上で、窓の配置やデザインはとても重要なポイントです。ここでは快適な「吹き抜け窓」の作り方に焦点をあてて解説していきます。まずは、吹き抜け窓をつくるメリット・デメリットとその対策を紹介します。
①吹き抜け+窓のメリット
吹き抜け窓のメリットを挙げていきましょう。
基本的に窓には、窓の外を眺める「視認」・太陽の光を取り入れる「採光」・室内の空気を循環する「通風」の3つの役割と機能があります。住まいの高い部分に配置する吹き抜け窓の場合、特に採光の要素に期待して導入する方が多いのではないでしょうか。
a. 明るさを効率的に取り入れやすい配置
近隣住宅環境や住まいの向き、間取りによっては、太陽の光を受けにくく冬が特に冷える住まいになってしまう場合があります。
そんな時に、大きな吹き抜け窓があれば1階だけでなく、2階部分にも明るい日差しが入る空間をつくりやすくなります。吹き抜け窓なら、家の高い位置に窓を配置できるので、隣接する建物の影響も受けにくく機能的です。
b. 体内時計や日向ぼっこで生活リズムを整える
外から降り注ぐ自然の光は、照明とはまた違ってあたたかくお子様やご家族の日向ぼっこに最適です。
テレワークで家にこもりがちな日々や冬の寒い時期の日光浴にもいいでしょう。
吹き抜けのある2階や階段から見える窓の景色や季節の移り変わりを日常的に楽しむことができ、1日を通して体内時計を調節するのにも効果的です。
c. 「高さ」と「光」の効果で広々と
日当たりや広さが心配な住まいでは、2階を設けるよりもあえて大開口のある吹き抜け設計をおすすめします。
リビング全体や中二階のある空間の吹き抜けに、明るい日差しが入る窓を設けることで「高さ」と「光」の視覚的相乗効果を得ることができ、開放的な空間を演出することができます。
d. デザイン性に優れた採光・眺望窓
インパクトのある吹き抜け窓は、住まいの外観はもちろん屋内に自然の光や景色を取り込むおしゃれなデザイン窓として、住まいに贅沢な彩りを与えてくれます。選ぶ窓の大きさやカタチによって家の印象が大きく変わるのも魅力です。
②吹き抜け+窓のデメリットと対策
デザイン性においても魅力的な吹き抜け窓ですが、デメリットとなるポイントもあります。
満足のいく吹き抜け空間を完成させるための注意点や対策も確認しておきましょう。
a. 冷暖房効果が薄れる
吹き抜けをつくる際に気になる空調管理ですが「高さ」を設ける吹き抜けにおいて問題となるのが、「冷気が日差しで暖められ、なかなか涼しくならない夏」「暖気が上層部に溜まるばかりで、いつまでも足元が冷える冬」といった冷暖房効果の低減です。
また、吹き抜けに窓を配置することで熱の出入りをさらに促してしまう可能性があります。そのため、吹き抜け窓を採用する際には、特に熱貫流率の低い断熱性能のある窓を選ぶようにしましょう。
b. まぶしさやプライバシーの心配
吹き抜け窓を西側に配置した場合、西日が入る時間帯のまぶしさが気になることがあります。基本的には、採光が取りにくい北側に吹き抜け窓を設けることが効果的だと言われていますが、吹き抜け窓からの光の加減が気になる場合には、後ほど紹介するカーテンで調節・改善することができます。
そして、憧れの大開口窓やデザイン窓を設けたのに、外から中の様子が丸見えで困るなんてことになっては元も子もありませんよね。外から見た窓の配置に注意して、すりガラスや近年注目を集めるかすみガラス、またカーテンなどで調整すると良いでしょう。
c. メンテナンスがしづらい
吹き抜け窓は、建物の高い位置にあるため簡単に手が届かず、定期的な掃除やメンテナンスが億劫になりがちです。専門の業者に依頼するとそれなりのコストがかかってしまいます。例えば、スポンジと水切りが付いたガラスワイパーなどの便利なアイテムを利用した窓掃除や結露対策を行いましょう。
d. 建物強度の問題
2階部分にまで及ぶ大きな開口部が特徴の吹き抜けでは、ただでさえ建物構造の強度が重要になります。さらに、吹き抜け部分に大きな窓(ガラス)を設ける場合、住まいの耐震性能や窓ガラス自体の強度に注意を払う必要があります。
2.【実例】吹き抜け窓の施工デザインを見てみよう
それでは、実際の施工事例を見てみましょう。
こだわりの吹き抜け窓があることで、住まいの外観や内装がぐっとおしゃれに、広く明るい印象に変わることがお分かりいただけるでしょうか?
①大きな窓で高級感とデザイン性の高い外観に
吹き抜け部分に大きな開口窓のある住まいは、どこかおしゃれで高級なイメージを醸し出します。
明るい自然の光をめいいっぱい取り込む、外とのつながりが美しいリゾートライクな外観です。
【事例詳細】奥行きのある空間と窓から差し込む光が開放感を演出。まるで別荘のように洗練された空間の住まい。
②明るく開放的なリビングをつくる勾配天井の天窓
プライバシーが気になる吹き抜けでも天窓を設けることで、近隣からの視線を気にすることなく採光を確保することができます。
他にも吹き抜け窓+ブラインド、シーリングファンを活用して、吹き抜け窓のデメリットを見事に回避した設計です。
【事例詳細】プライバシーにも配慮された住宅地の新たなランドマークとなるデザイン住宅
③モダンな縦長の高窓でセンス良く
スリット窓や縦長の高窓は、吹き抜けに設計されやすい人気のデザインです。
まるで壁一面に大窓を設けたようなスケールで、リビング全体のおしゃれ度や開放感を高めてくれています。
【事例詳細】青空眺められる吹抜けで、よりオシャレにより開放的に
④1階部分に窓がなくても明るいリビングがつくれる
例え、1階部分の間取りに窓が配置しにくい条件や理由であっても、吹き抜けの大空間や吹き抜け窓の開口で、十分に明るい空間を確保することができます。吹き抜け窓からの光を通しやすいスケルトン階段を導入して、さらにおしゃれなリビングに!
【事例詳細】ダウンリビング・吹き抜けなど、空間やつながりを意識した素敵な住まい
3.吹き抜け空間をおしゃれに仕上げる窓とは?
【モデルハウス】長久手展示場
おしゃれな吹き抜け空間を彩る窓には、どのようなタイプが適切なのでしょうか?
また、吹き抜け窓のメリットを助けるカーテンや照明、吹き抜けのある空間空調に欠かせないシーリングファンについてもご紹介します。
①吹き抜けに最適な窓とは
【モデルハウス】大府第一展示場
窓にはさまざまな場所や目的に合わせた種類やデザインがありますが、基本的に手の届かない吹き抜け窓においては、窓枠や窓ガラスを完全に固定する「FIX窓(はめ殺し窓)」が主流です。気密性が高く、ガラス面が大きく確保できるのがメリットです。また、開閉可能な窓に比べて費用も抑えられます。
他にも、スタイリッシュな「スリット窓」や勾配天井を活かした「天窓」も吹き抜けで人気のデザインです。
②カーテンやスクリーンはどうする?
高所にある吹き抜け窓にカーテンやスクリーン、ブラインドなどを設置する場合には、日々の開閉を考えた仕様選びが大切です。
費用は高くなりますが、毎日の操作が格段に楽になる電動タイプのものがおすすめです。
また、掃除の手間や取り付け費用が気になる場合には「かすみガラス」の導入で、カーテンやスクリーンを付けないという選択肢もあります。
かすみガラスは、汚れが目立ちにくく光の分散効果でふんわりと優しい明かりを演出してくれます。
③シーリングファンの機能とは?
前半のデメリットでも触れた、吹き抜けと冷暖房に関する問題を解消するアイテムとしてシーリングファンをおすすめします。
冬場は上向きに回して、壁伝いに温かい空気を下階に戻す。反対に夏場は下向きに回して、冷えた空気を壁伝いに上層へ送る機能があります。
吹き抜けのない住宅と比べてランニングコストが高くなる可能性を考えて、無駄なエネルギーを抑える効率的なアイテムを活用すると良いでしょう。
アクティエの『高気密・高断熱』関連コラム:令和時代の高気密・高断熱を見直そう~お得な高効率住宅を建てるべき3つの理由
④吹き抜け窓と照明のデザイン
吹き抜けは天井が高いことが大きな特徴です。これは、照明を取り付ける場所も高くなることを意味します。
天井から吊り下げるペンダントタイプやムードのある間接照明、ダウンライドを活用して、よりおしゃれな演出にこだわってみましょう。
4.まとめ~憧れの吹き抜けをもっとおしゃれに!愛知で素敵な窓のある注文住宅を手に入れる!
吹き抜けは、開放感を求める幅広い世代から支持を集める人気の設計です。
今回は、吹き抜けをさらにおしゃれに、快適に仕上げるためのポイントを紹介してきました。熱効率や強度、配置、デザインをよく検討することで、プライバシーをしっかりと守りつつも開放的な広がりが楽しめる贅沢な住まいが手に入ります。
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