マイホーム購入にあたっては将来のことを考えておくことが必要不可欠。特に、資金面で破たんしないよう、よく計画を練っておかなければなりません。そんな住宅購入資金の計画を立てる際のポイントを紹介していきます。
■ローン借入額を決める
住宅購入の予算は「頭金+住宅ローン借入額」というように計算できます。このうち、頭金は、持っている自己資金によって捻出できる額が分かりますので、ここでは住宅ローンの借入額を決定するポイントを見ていきましょう。
銀行などにローンの相談をした場合、はじめに出てくる金額は「ローン借入可能額」です。これは、「あなたの年収などを考慮すると、銀行としてはココまでなら貸せますよ」という金額です。
あくまでも銀行の目線から捉えた額ですので、返済する側の事情が考慮されているものではないということに注意してください。多くの場合、ローン借入可能額いっぱいで融資を受けてしまうと、月々の返済はやや厳しいものになります。順調に年収が上がっていき、生活も落ち着いていれば良いのですが、人生はそう平坦なものではありません。
例えば、結婚や出産などのライフイベントがあれば、そのタイミングで出費はかさみます。車をローンで購入すれば、さらに月々の返済額は増えますし、もしかしたら病気で働けない期間だってあるかもしれません。それでも、住宅ローンの返済は待ったなしです。
こういったイベントによる返済難を防ぐためには、事前にきちんと将来の人生設計をしておくことが重要です。
そこで、ぜひやっておきたいのが「キャッシュフロー表」を作成することです。
キャッシュフローとは「お金の流れ」のこと。お金を管理する表と言うと家計簿を想像してしまいがちですが、これは毎月の収支を見るもの。キャッシュフロー表は将来に至るまで、一生のお金の流れをチェックできます。
ライフイベントとそれによる支出、また予測できる収入を記入していくことで、人生のお金の流れを把握できるようになり、これをしておくことで住宅ローン返済に月々いくらまで捻出できるかという大まかな数字が出てきます。
ローン借入額を決めるには、ある程度、人生設計を決める必要があるということを覚えておきましょう。
■ローンの金利タイプを決める
住宅ローンの借入額を決めたら、金利タイプのことも考えておきたいところです。
住宅ローンの金利タイプには、
・固定金利型
・変動金利型
・固定期間選択型
の3種類があります。
固定金利型は、借入期間を通して当初指定した金利が適用されるタイプ。変動金利型は期間ごとに金利の見直しがあるため、金利が上昇・下落する影響を受けます。
固定期間選択型は、「〇年間は当初指定した金利が適用される」というように、設定された固定期間の中から自由に選択することができるタイプです。
それぞれに一長一短があるので、「これがベスト」というのは一概には言えません。
ただし、先ほどのキャッシュフロー表を作りやすさ(=人生設計しやすさ)という点から考えると、月々の返済額がほぼ一定である固定金利型がおススメです。
一方で、変動金利型は金利が低いことがメリット。うまくいけば(将来金利が大幅に上昇しなければ)固定金利型よりもかなり総返済額を抑えることができます。
このあたりは専門家によっても評価が分かれるところですので、よく考えて自分の性格に合ったものを選ぶようにしましょう。参考までに、最近人気のあるのは変動金利型です。
■返済期間を決める
どれくらいの年数をかけて返済していくのか、ということも考えておかなければなりません。
既にキャッシュフロー表を作られた方であれば気付いているポイントだと思いますが、ここで重要なのは「定年」です。企業に勤務されている方であれば、ここを境に外部からの安定した収入はなくなってしまいます。
もちろん、年金の支給は受けられますが、給与ほどもらえることは考えられませんし、年金制度の存続も危ぶまれているところで、過度な期待もできません。
ベストな方法は、定年までに返済を終えるように住宅ローンを組むということです。例えば、60歳定年の人が40歳時点でローンを組む場合は、返済期間を20年とする、といった具合です。
■住宅資金を考える
頭金の額が決まり、住宅ローンの借入額が決まれば、それを足しあげて住宅購入予算を算出することができます。
もし、この予算が希望の物件価格に満たなかった場合、ひとつだけ方法があります。それは、「親から資金提供を受ける」ということ。実際、住宅購入の際に、親から資金援助を受ける方は決して珍しくありません。
以前は「贈与税」の存在がネックとなっていましたが、住宅取得資金の贈与の場合、2016年1~9月までは700万円までは非課税。
この機会に、ご両親を頼って見るのもひとつの手です。もちろん、その後の親孝行はお忘れなく!