■大府市の土地は平均10万5693円/m2
大府市の土地購入の平均価格 |
10万5693円/m2 |
坪単価:34万9399円 |
(全国平均) |
14万9978円/m2 |
坪単価:49万5796円 |
(同県(都)平均) |
15万5071円/m2 |
坪単価:51万2632円 |
名古屋市、豊明市、刈谷市など5つの市村に囲まれた、知多半島の北部に位置する大府市。ここでは、そんな大府市の土地相場情報を紹介していきます。
ま ず、東海市の土地購入の平均価格を見ていきましょう。これは、国土交通省に登録される「地価公示」の数値と県庁による「地価調査」の数値に基づいて、独自 に算出されているデータです。平成27年で見てみると、10万5693円/m2(坪単価:34万9399円)となっています。
平成27年の 全国平均が14万9978円/m2(坪単価:49万5796円)、愛知県内の平均が15万5071円/m2(坪単価:51万2632円)ですので、それら と比べると若干地価は低くなっています。とは言っても、愛知県の場合、名古屋市のみが県内平均を大きく上回り、それ以外の市はすべて平均以下になっている ことは考慮に入れておくべきです。
市内にはJR東海道本線が走っており、共和、大府という2つの駅があります。地価はこの路線に近づくほど上がっていく傾向が見られます。
平成27年の公示地価で最も高額だったのは、「桃山町4丁目221番」で14万4000円/m2(坪単価:47万6033円)でした。他を見ても、上位は大府駅の周辺に集まっているようです。
宅地と商業地との地価の違いを見ると、宅地の平均価格は10万6336円/m2(坪単価:35万1525円)。商業地の平均価格は11万1485円/ m2(坪単価:36万8547円)となっています。
■工業都市と住宅都市、2面性を持つ大府市
知多半島の付け根に位置する大府市。その歴史を紐解くと、旧石器時代の石器が発見されたことから、縄文時代以前より人が住んでいたと考えられています。平安時代から室町時代のころまでは、焼きものの生産が盛んな地域だったようです。
江戸時代になると主な産業は農業となり、この流れは今をもって続いています。一方で、戦後は繊維産業などの工場をはじめ、徐々に自動車産業の工場も進出し、これに伴って人口が増加。工業都市として、また名古屋周辺エリアのベッドタウンとしての現在の姿に至っています。
平成27年時点での人口は9万人弱、年々増加していく傾向にあります。特に人口増加が顕著な地域としては中央町や横根町、江端町などといった大府駅の周辺エリアが挙げられ、主な増加要因は土地区画整理事業やマンション建設などと考えられています。
市内には南北にJR東海道本線が走っています。大府駅から名古屋駅までは約25分と、県中心部へのアクセスは良好。また、北部には伊勢湾岸自動車道、西部には知多半島道路が走っており、自動車での市外、県外への移動もスムーズです。
大府駅、共和駅といった2駅があるものの、駅周辺ではなく、その中間の沿道に商業施設が集中。このため、駅周辺エリアに消費者ニーズのある商業空間を作ることが、市の課題のひとつとなっています。
大府市が取り組んでいるプログラムとしては、健康長寿の一大拠点の形成を目指す「ウェルネスバレー構想」があります。市内でも高齢化が進む中、「幸齢社会」を標榜し、「健康づくり」、「医療」、「福祉」、「産業振興」などの分野が抱える課題の解決に取り組んでいます。
■大府市の土地評価額の動向
過去10年間(2006~2015年)の平均地価データを見ると、2008年に10万8960円/m2(坪単価: 36万0198円)を付けていったんピークを迎えますが、そこから2012年までは下落傾向。2013年以降は2015年まで上昇を続けています。 2015年の地価を対前年比で見ると、約2.24%の上昇がみられました。
この10年間での価格の振れ幅は約7500円/m2ほどで、目立った変化のあるエリアではないということができそうです。
■大府市の地価ランキングは全国161位
それでは、改めて大府市の地価を他の市町村と比較してみましょう。全国順位で見ると1731市町村中、161位にランクされており、愛知県内の順位は54市町村中、8位。また、対前年比の地価上昇率2.24%は全国で93位、愛知県内では8位でした。
あくまでも目安として同程度の価格帯の地域を見ると、県内では岩倉市や豊明市、全国から探していくと、青梅市(東京)、浦添市(沖縄)、川西市(兵庫)大阪狭山市(大阪)などと近い数値となっています。
■総括
トヨタ自動車関連企業のベッドタウンとして需要のある大府市。それだけに、最近の自動車産業の好調さによって、住宅市場には明るさも見られ、地価も比較的 安定した上昇が見られます。しかしながら、昭和から住宅都市として定着していることもあって値動きは固く、今後も大幅な上昇には至らないと予想されます。
路線商業地に対する需要は高くないものの、市内には大規模なマンションの建設予定も複数あるため、そういった土地では価格の上昇も見込まれます。