国が定めた基準をクリアした住宅が認定を受けることのできる「長期優良住宅」。では、認定後はどんなメリットが待っているのか? また想定しなければならない点はあるのかなど、長期優良住宅の効果について紹介します。
■長期優良住宅の申請
長期優良住宅を取得するためには、所管行政庁に申請をして認定通知を受けなければなりません。申請には技術的な審査が必要となり、評価機関にこれを依頼しなければなりません。
また、認定を受けるためには、劣化対策や耐震対策、バリアフリー対策など、様々な要件を満たしていなければならず、ハードルは決して低いものではありません。
このように、長期優良住宅の認定にはそれなりの手間と時間がかかるのですが、取得した場合にはそれに見合うような多くのメリットがあります。特に住宅購入者の金銭的負担が軽くなるような利点も多く、知らないままに住宅を建ててしまうと後悔するケースも。
■長期優良住宅のメリット
長期優良住宅の認定を受けることで得られるメリットはいくつかありますので、以下に挙げていきます。
・所得税の住宅ローン減税
住宅ローンを使っての購入の場合、所得税の控除が受けられます。平成28年度で見ると、一般の住宅の最大控除額は400万円、年間控除額は40万円ですが、長期優良住宅の場合は最大控除額500万円、年間控除額50万円にアップします。
その年の所得税を控除した後、まだ残額がある場合には、住民税からも控除が受けられます。
・所得税の特別控除
標準の性能強化費用相当額(上限1000万円)の10%に相当する金額(最高50万円)が所得税から控除されます。
・不動産所得税の控除
新築住宅を購入・取得する時にかかる不動産住宅税が減税されます。一般の住宅は1200万円の控除ですが、長期優良住宅の場合は控除額が1300万円にアップします。
・固定資産税の軽減
一般の住宅は固定資産税が3年間、1/2に軽減されるのに対し、長期優良住宅の場合は5年間、1/2に軽減されます(戸建の場合)。
・登録免許税の減税
所有権の保存登記や移転登記で、免許税の税率が引き下げられます。保存登記では、一般の住宅で0.15%のところが、長期優良住宅では0.1%に。移転登記では、0.3%のところが0.2%となります。
・フラット35Sの金利優遇期間延長
フラット35Sを利用した住宅ローン借り入れでは、省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性のいずれか1つの基準を満たすと10年間の金利優遇措置が受けられます。長期優良住宅の場合は、この優遇期間が20年間となります。
・補助金が受け取れる
地域型住宅グリーン化事業と呼ばれるもので、木造、新築の長期優良住宅であれば1戸あたり上限100万円の補助金が受けられることとなっています(平成28年度)。
■長期優良住宅の気になる点
このようにメリットの多い長期優良住宅ですが、一方で気になる点もあります。
・手間と時間がかかる
まずひとつめは、前述したとおり申請の手間、そしてコストです。申請自体に手続き上の時間がかかりますし、行政に支払う認定手数料もかかってきます(一般的なケースの場合、数千~数万円)。ハウスメーカーや工務店などに依頼をすれば、その分のアワーレートもかかってくることもあります。
・耐震性や劣化対策を考慮に入れた設計が必要。
長期優良住宅の認定を受けるためには、劣化対策や耐震対策などの基準をクリアしなければなりません。
その都合上、設備や、間取りにおいて上記の点にも考慮した設計を行う必要が出てきます。
・点検の義務
建てたからといって終わりではないのも特徴のひとつです。「長期優良住宅建築等計画書」というものがあり、これに沿った維持保全計画を行わないと、認定の取り消しの可能性もありますし、補助金の返還を求められることもあります。
そのため、定期的な点検とそれに伴うコストは考えておかなくてはなりません。といっても、一般的な住宅でも点検とメンテナンスは非常に重要なものですので、これは一概にデメリットとは言い切れません。
■長期優良住宅まとめ
ここまで、長期優良住宅のメリットと気になる点をそれぞれ挙げてきました。制約もありますが、家は買って終わりのモノではなく、長い期間「住まう」大切な場所。長期間安全・快適に過ごすことができる場所を手に入れるという目的において、長期優良住宅の住まいを選ぶことは賢い選択のひとつであることは間違いありません。また長期優良住宅を選んだ場合、一般の住宅よりも減税や控除を手厚く受けられ、総返済額が大きく変わる事になりますので、コスト面でも大きなプラスとなることもあり、弊社では長期優良住宅をご提案しています。
長期優良住宅が気になるのであれば、一度、弊社スタッフにご相談ください。その上で、トータルでかかるコストなどを考慮し納得の家づくりにしましょう!