これから作る新築の住まいは、長い時間集う空間となります。そのため後悔のない住まいづくりのためには、「シニアになっても暮らしやすい!」など、将来のことを考えながら建てることが必要です。
安心・安全な平屋での間取りは、シニア世代になった場合でも暮らしやすいと言えるでしょう。
平屋を新築で建てること。そして平屋の良い部分を、2階建て住宅に取り入れるこことで、暮らしやすい間取りを手に入れることができます。
今回は、シニアになっても暮らしやすい住まいづくりにクローズアップしてみましょう。
- 住宅の基本は、どんな年代になっても暮らしやすい空間であることが重要です。平屋の住まいから、そのヒントを見つけていきましょう。
- どんな間取りや工夫が、平屋の良さをより伸ばしてくれるのでしょうか。そのアイデアをこれからの住まいづくりに役立てることができます。
Contents
平屋の魅力とは
平屋とは、生活空間がワンフロアで設計された住まいとなります。つまり階層が1階層の建物の造りを指し、簡単に言えば「1階建ての建物」です。
2階建ての住まいの場合、自由度が広がる分どうしても「構造が複雑化」しやすくなる傾向があります。平屋では垂直方向の移動が制限される分、平面での移動を最大限活かす間取りを想像しやすくなります。
そして平行移動のメインとなる間取りは、住まい手の身体的な負担を軽減できるなどの暮らしやすさを手に入れることができます。
平屋のメリット1:多様な間取りが実現できる
「垂直移動がないから間取りに自由度が下がるのでは?」と懸念される方も中にはいらっしゃるでしょう。しかしそうではありません。
平行移動をメインに考えることで、間取りに自分たちの動きを取り入れやすくなり、暮らしやすい空間が作りやすいのです。
例えば家事の中でも身体への負担の感じやすいお洗濯であっても、キッチンから動きやすい場所にランドリースペースを配置し、重くなった洗濯物を運びやすい場所に物干しスペースを作るなどもしやすいのです。
重くなった洗濯物を上階に上げる動きは、思わぬ危険につながるケースも少なくありません。
○ 家事をしながらでも、子どもたちの様子が分かりやすい。
○ 子どもたちを見守りながら過ごす間取りが作りやすい。
○ 子どもたちとの距離感も近くなり、コミュニケーションが取りやすい。
などの部分から、今は「シニア=平屋」という価値観から「子育て世代からの支持」が大きくなってきている傾向があります。
平屋のメリット2:デッドスペースの有効活用がしやすい
2階建て住宅の場合、垂直方向に間取りが形成されるためどうしてもデッドスペースも生まれやすくなります。そのひとつが、階段下という空間です。
2階建ての場合、階段が占める各階の面積は合計約2坪程度と言われています。平屋の場合、階段という上の障害物がなりため別の用途に使いやすいという特徴があります。
また階段や二階で使用する廊下の建材などがいらなくなるため、コスト削減にもつながります。建物の低さからのメンテナンスのし易さ、重量の軽さからもたらせる地震影響の受けにくさなど、いろいろな魅力があります。
この他にも、段差の少ない間取りの実現や身体への負担の軽減など上記以外のメリットがたくさんあります。この良さを最大限に活かすこと、それが平屋の住まいづくりの醍醐味ですね。
【関連コラム】:平屋の外観を左右する|間取りと屋根の形
シニアになっても暮らしやすい「間取り」とは
長い時間暮らしやすい間取りにするためには、シニアになってからも暮らしやすくすることが大切です。
ではここでは、子どもたちが独立したケースでの「シニア夫婦2人で住む暮らしやすい間取り」を見ていきましょう。
シニアふたりで暮らしやすい間取りの広さとは
暮らしやすい・必要となる広さは、そこで集う家族構成な影響をあたえます。そのため実際に2人で生活するとなった場合、どのくらいのスペースが必要なのかが分からないという方もいらっしゃるでしょう。
一般的な目安としては2人暮らしの場合、コンパクトな家で約20~24坪程度。少し大きめな家であれば約28~30坪くらいの広さがあれば十分です。
そのくらいの広さがあれば、LDKや寝室、洗面脱衣室・浴室・トイレなど必要な空間は十分用意ができます。
今の家づくりに中に「シニアになっても暮らしやすい間取り」のアイデアを取り入れることで、将来を考えた住まいづくりをすることができます。
シニア世代で取り入れたいアイデア:行き来のしやすいスペースの配置
シニアになるとどうしても、「今までと同じ動きがしんどいと感じる場面」が多くなります。そのため間取りの工夫があることで、身体への負担を軽減することが可能です。
そのひとつが、LDKを中心に間取りを配置する方法です。
LDKを住まいの中心に配置することで、寝室・水回り・玄関へ行き来のしやすい間取りになります。この生活動線や家事動線へのサポートは、子育てで慌ただしい生活を送っている方や共働きで時間の余裕がないご家庭にもうれしいアイデアです。
シニア世代で取り入れたいアイデア:夫婦それぞれの空間を作る
シニアになるとどうしても2人が一緒にいる時間も長くなり、2人で楽しく過ごせるスペースの他にも「プライベートを楽しむ空間の確保も重要です。
○ 夫婦それぞれの個室を作る。
○ 大きな空間を間仕切りなどで2つに分け、一人になれる空間を作る。
など、目的や用途によっても空間の作り方は変化します。
例えば、「いつか巣立つであろう子ども部屋を、いつか自分たちのプライベート空間へ変化させる」ことも方法のひとつです。子ども部屋の配置や広さ、空間自体の作り方などを「シニア目線でプランニングに取り入れる」こともアイデアですね。
住まいづくりの方法はひとつではありません。またシニアだから平屋でしか暮らせないということでもありません。
例えば、負担のかかりにくい1.5階を上手に活用する方法もあります。今と将来を考えた住まいづくりをすることが、とても大切なのです。
【関連コラム】:平屋なのに2階のある間取りとは?|機能的な家の作り方
バリアフリーを取り入れたアイデアとは
シニアになっても暮らしやすい間取りにするために外せないもの、それは「バリアフリー」の観点です。しかし、ただ「バリアフリーを取り入れれば暮らしやすいのか」というものではありません。
効果的なバリアフリー化を作るには、
○ 生活動線
○ 動きやすい設備
○ 快適に過ごせる空間づくり
上記の3つを取り入れることが必要です。
【生活動線】
バリアフリーを取り入れたの間取りでは、「生活動線をシンプルにする」ことを心がけましょう。回遊する動きではなく、移動を直線的にすることで身体への負担も軽くなります。
○ 寝室の配置は、トイレや玄関ホール近くにする。
○ 水回り(トイレ、洗面所、浴室)の空間をひとまとめにする。
○ リビングと寝室をなるべく近くに配置する。
などのポイントを、間取りのプランに取り入れましょう。
しかし全ての要素を取り入れた間取りを作ることは、不可能と言えるかも知れません。どこを重視した方が、今と将来が使いやすいのかを考え「優先順位」をつけて取り入れていきましょう。
【動きやすい設備】
シニアになることで身体の自由もきかなくなり、今までは気にならなかった段差がきつくなる。また杖や車椅子が常時必要となるケースも考えられます。
過ごしやすい空間にするためには、いつか体が不自由になった時に困らないように、なるべく障害物の少ない設備を取り入れておくことも必要です。
○ 移動しやすいよう間仕切り(壁)を少なくする。
○ トイレを広めに設計しておく。
○ 廊下の幅を広めにしておく。
など、住宅を作ってからでは変更しにくい部分を「今のうちから準備しておく」ことが大切です。シニアになっても暮らしやすい間取りは、もちろん身体の自由のきく今でも動きやすい間取りになります。
【快適に過ごせる空間づくり】
シニアになるとどうしても、自宅で過ごす時間も増えていきます。家で過ごす時間が増える場合、快適に過ごせる室内環境はとても大切になります。
日当たりや風通し、また段差なく移動できる庭などの配置もうれしいアイデアです。
こちらのお住まいでは、段差のない中庭が設置されています。周囲から見えないよう配置することでプライバシー保護にも役立ちます。
シニアになるまでからでも、家族でワイワイ楽しくバーベキューを楽しんだり、第2のリビングとしてゆったりと過ごしたり、使い方もいろいろ楽しめます。
【関連コラム】:新築注文住宅でおしゃれな中庭のある間取りを楽しむ|プライベートリゾートの魅力とデザイン【愛知編】
まとめ:今も将来も暮らしやすい住まいづくりを応援します
住宅の基本は、どんな年代になっても暮らしやすい空間であることです。今回は、シニアになっても暮らしやすい住まいづくりにクローズアップしてきました。
確かに平屋にしか感じられない良さもありますが、今回のアイデアは2階建ての住まいでも役立てることができます。大切なのは「平屋」「2階建て」という価値観にとらわれすぎず、活かせる部分はしっかりと役立てていくことが大切です。
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