学校や塾などで毎日勉強している子供たちですが、じつは「家」での勉強もとても大切です。
とくに2020年以降は感染症により長期休校措置が取られ、自宅で勉強しなければならない場面も増えましたよね。
家での勉強の習慣が付いていないと、「ついついさぼってしまう」「一人で勉強しようとしても長続きしない…」といったお悩みはよく聞かれます。
そこでこの記事では、子供たちが家で勉強しやすい環境づくりや、おすすめの間取りの計画ポイントを紹介していきます。
自分から勉強に取り組みやすい環境を作れば、親としても安心ですよね。これから新築をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 子どもたちを取り巻く環境は大きく変化しており、最近ではリビング学習が注目されています。
- 自分から勉強したくなる家づくりのポイントをまとめています。
家での勉強にはリビング学習がおすすめ
従来までは、「子どもは子ども部屋で勉強する」というスタイルが一般的でした。
たしかに個室の静かな環境であり、教科書や参考書がすぐに手に取れるので勉強がはかどりそうなイメージがありますよね。
しかし最近では「リビング学習」が注目されています。
リビング学習がおすすめな理由
リビング学習のメリットは、「子どもが安心感を持って勉強できる」という点がポイントです。
とくに小学校低学年など年齢の小さい子どもは、一人で子ども部屋にいると「何かに見られている気がする…」など、ちょっとしたことから不安を感じやすいことも。
そのため他の家族が一緒にいて常に気配を感じられるリビングの方が、安心して勉強できるのです。
同じ空間に家族がいるので、勉強で分からないことがあっても「ちょっと教えて」と聞きやすいのもメリットですね。
親の目線からも、子どもが勉強せずに遊び始めたらすぐに声掛けをできるというメリットがあります。
さりげなく「勉強していて偉いね」などと声掛けをすれば、子どものモチベーションもUPして喜んで勉強できるという面も。
リビング学習計画のポイント①明るさを確保する
勉強をするには、それに適した明るさの確保が必要です。
明るさの基準としてはJIS基準を参考にするとよいでしょう。
リビングなどのくつろぎがメインのスペースでは、150~300lx(ルクス)の明るさがあれば十分です。
一方で勉強するためには、500~1000lxの明るさが必要となります。
とくに子供たちは成長の発達段階にあるため、あまりに暗い所で字を見すぎると視力の低下にもつながってしまいます。
明るさ対策には手元灯もおすすめ
もし全体の照明だけでは明るさが不足するようであれば、手元灯をプラスする方法がおすすめです。
デスクに設置するタイプのスタンドライトや、壁付けのスポットライトならしっかり明るさが確保できますよ。
リビング学習計画のポイント②デスクとチェアを準備
リビングで学習する場合、隣接するダイニングテーブルを学習机として利用するケースが多いです。
しかし小さい子どもだと、ダイニングテーブルは高すぎて長時間座っていると身体に負担が掛かってしまうことも。
そのため、子供一人ひとりに合わせたデスクとチェアを準備するのがおすすめですよ。
【事例詳細】家族の団欒を華やかに彩る リゾートホテルライクな暮らし。
こちらの事例のようにリビングダイニングの一角にカウンターコーナーを設けると、子供の勉強スペースとして使いやすいです。
専用の書棚やボックスを設置すれば、勉強に必要な教科書やノートを収納して置けて便利です。
また、将来的に子どもがリビングでの学習の時期を終えて子供部屋で勉強するようになっても、大人の書斎コーナーやテレワークスペースとして活用できます。
こちらの事例では、2人のお子さんが同時に勉強できるよう長めのカウンターを設置しています。
正面の窓からは光がたっぷりと差し込んで、手元を明るく照らしてくれますね。
2台のデスクを設置するのではなく、あえて長い1枚のカウンターにすることで使い方の幅が広がります。
将来的にパソコンやタブレットでの学習もするのであれば、カウンターにはコンセントやLANケーブルも一緒に設置しておくと便利でしょう。
リビング学習計画のポイント③収納スペースも必要
最近ではタブレット端末での学習も一般的になってきましたが、まだまだ勉強には教科書やノートを使うのが主流です。
そのため、教科書類を収納できる棚などのスペースも必要になってきます。
とくにリビングは他の家族の生活する場所になるため、いつまでも教科書が出しっぱなしになっていると「片付けなさい」と怒ってしまう原因にも。
片付けは毎日必要なことなので、いちいち子供部屋まで取りに行って仕舞って…という作業が必要なくなるようにする工夫をしましょう。
【事例詳細】無駄を無くし、2つの家族の理想を叶えた分離型の2世帯住宅
こちらの事例では、リビング右奥に子ども用の勉強コーナーを設けています。
そのすぐ横には本棚が設置してあり、すぐに本が取り出せるようになっていますね。
これから新築住宅を計画されている方は、リビング学習をすることも視野に入れて間取りを計画する必要があるでしょう。
自分専用の収納スペースが最初から計画されていれば、子供たちも片付けの習慣が自然と身に付きますよ。
【関連コラム】:テレワークしやすい住宅の作り方|間取りのコツまとめ
スキマスペースの活用もおすすめ
家の中で「ノマドワーカー」になるスタイルも人気
小学校低学年など、まだ親のサポートが必要な時期にはリビング学習がもっとも適しています。
しかし高学年あたりになってくると、個室が向いている場合も。
しかしどこで勉強するのが良いのかは個人の資質や性格にもよるため、一概に「このスペースがおすすめ」と言い切れないのが難しいところです。
そのため、子供部屋やリビングに限らず、家の中のどこでも好きな場所で勉強できるようにしておくと活用の幅が広がりますよ。
場所にとらわれずPCだけ持って好きなスタイルで仕事をする人を「ノマドワーカー」と呼びますが、それと同じようなスタイルを家の中で行えるのが理想です。
自由な勉強スペース①階段にデスクコーナーを作る
【事例詳細】家族の顔がいつでも見られる、動線を意識したこだわりの住まい
たとえばこちらの事例では、階段の中腹にデスクコーナーを設けています。
本来階段は上下階を移動するための空間ですが、このように広めのスペースを確保すると開放感が生まれておしゃれですよね。
家族の気配を緩く感じられるスペースなので、ほどよく安心感も得られて勉強にも集中できます。
自由な勉強スペース②秘密基地のような書斎
【事例詳細】家族もピアノ教室のお客様も楽しい+オシャレなお家。
書斎スペースは、こもって作業したり趣味に打ち込んだりできるスペースとして人気があります。
こちらの事例では、半地下空間を利用して書斎にしているのが特徴です。
少し籠ったような空間のため、まるで秘密基地のようなワクワク感もあって子供が喜びそうですよね。
子どもの勉強スペースとしてだけではなく、大人の仕事場所や読書コーナーとしても活用できておすすめです。
子どもが自分から勉強したくなる住まいにしよう
以前までは、「子供は子供部屋で勉強するほうが集中できる」という考えが一般的でした。
しかし最近ではリビングなど家族の気配を感じながら学習する方が、より集中できるというデータも。
紹介してきたように、階段の中腹やリビングの一角、書斎スペースなど様々な場所で勉強するスタイルであれば、どんな場所でも集中できるスキルが身に付きます。
これから新築住宅をお考えの方は、ぜひリビングのスタディコーナー等を検討してみてはいかがでしょうか?