「小上がり」スペースは、床面に高低差をつけて立体的な空間を生み出す設計で、狭小地や変形地における新築づくりに限らず人気の間取りです。
リビング脇のくつろぎ空間やおしゃれなモダン和室として、広さやデザインともに幅広く浸透してきています。
今回は、この小上がりを活かした快適な生活モデルや小上がりで増える収納アイデアを紹介いたします。小上がりの新築実例やメリット・デメリットを押さえた上で、よりご家族に合ったスタイルを見付けてみてください。
Contents
1.おしゃれなだけじゃない「小上がり」の機能性と収納力
「小上がり」は、新たに部屋を追加したような別空間としての認識で床や壁、収納を自由に設定することができます。
そのため、リビングと一体的な機能を持ちながら、ほど良いアクセント効果、また気分を変えて過ごせる特別なスペースとなります。
また、底上げした空間を有効活用して「すぐ手が届く」「大型の収納」をつくれるのも魅力的です。
2.小上がりのデザイン豊かな【実例紹介】~使い勝手と収納
それでは早速、小上がりのある新築実例を見ていきましょう。
近年では、LDK+小上がりの間取りが人気でレイアウトもさまざまです。それぞれの配置やデザインに注目してチェックしてみてください。
①和室さながら和モダンの魅力が詰まった小上がり
白を基調とした洗練された内装に馴染む、淡い色味の琉球畳が魅力の小上がり空間です。
優しい和の雰囲気を醸し出す丸い照明が印象的な空間で、リビングで過ごすご家族とお子様が自然と時間を共有しやすくなる間取りです。
将来の使い道変更を考えて扉を設置する、小上がりも人気です。
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②畳でもつくれる!「小上がり」のモダンテイスト
小上がりの底上げを利用した収納スペースなら、何かと散らかりやすいリビングの片付けも簡単で、モダンインテリアの内装を崩さない隠せる収納で、スタイリッシュなLDKを維持しやすくなります。
③掘りごたつやカウンターのある便利な小上がり空間
まるで完全個室にいるかのように仕上げられた和のインテリアや照明がおしゃれな和モダン小上がり。
意外と置き場に困る季節の置物を飾るのにも適した床の間のデザインが魅力的です。
来客時やお茶の時間、晩酌などダイニングとはひと味違った空間で贅沢な時間を楽しむことができそうです。寝転がった時に、外の景色や植栽を眺められる窓の配置で採光にも優れたスペースになっています。
④子供部屋や寝室にもなる機能的な小上がり
小上がりの活用方法として人気なのが、まだ小さいお子様のいるご家庭のキッズスペースやお昼寝スペースにするアイデアです。
キッチンからもリビングからも視線が届く範囲なので、親子で安心してそれぞれの作業を行えます。
限られた間取りの中でも確保しやすい広さや階段1段分の高さがお子様にも安心のちょうどいいサイズ感で、来客時の寝室(ベッド)として利用する方法もあります。
3.小上がりを新築間取りに取り入れるメリット
人気の新築実例を見ていただいたところで、小上がりのメリットを1つずつ確認していきましょう。
①立体的な空間が増える
フラットな空間にはない立体的なデザインが楽しめるのが小上がりの魅力です。
壁や仕切りがなくても段差があることで、別の空間としての認識が持てるようになるので、畳やアクセントクロス、飾り棚を使って、リビングとはまた違ったテイストの空間でも違和感なく仕上げやすくなります。
②段差を使った収納が増える
段差をつくることでうまれる底上げ空間を引き出し収納にしたり、お掃除ロボットを格納するスペースにしたり、デッドスペースを有効活用した隠れた収納を設けることができます。
リビングや小上がりで使うお子様のおもちゃやお昼寝で使う寝具など、さっと取り出して簡単にしまえる便利なリビング収納が確保できるのは魅力的です。
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③気軽にくつろげる空間ができる
気軽に寝転べるスーペースというのが小上がりの醍醐味ではないでしょうか。
床のフローリングとは違い、畳の手触りや香り、一段上がった空間が癒しと贅沢な時間を演出してくれます。
一見するとバリアフリーに反するように思われる小上がりですが、段差部分に座布団などを置いて腰掛けに使えるところがフラットな和室にはできない幅広い世代におすすめのアイデアです。
また、リビングからのほこりやゴミが小上がり空間に上がりにくいのもメリットです。
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4.小上がりをつくるデメリットと解決策
次に、小上がりをつくるデメリットとその解決策も押さえておきましょう。
①掃除やバリアフリーには不便
住まい全体をバリアフリーにしたい場合やお掃除ロボットで家中を1度で掃除したい場合には、小上がりのある間取りは不向きかもしれません。
⇒解決策
しかし、先ほども紹介したようにゴミが上がりにくく、出入り口部分を腰掛けとして利用できる高さの小上がりなら、掃除の頻度も少なくて済むだけではなく、椅子やソファの家具がなくても座れる・寝転がれる場所をつくることができます。
②リビングに圧迫感が出る
小上がりをつくることで、リビングへの圧迫感や家具の配置に制限が出てしまう。
⇒解決策
リビングからの見え方や小上がりから見える景色や内装をイメージして、理想の使い道に合わせた開放的なデザインやリビングとの一体感を守る空間づくりを意識してみましょう。
窓や照明のデザインでも空間の印象は大きく変わります。理想的な実例を参考にしてみるのも良いでしょう。
上記でも紹介したように、小上がりの使い方を見直して小上がりに代わる椅子やソファなどの家具を減らしてみるのもリビングを広く使うための1つの方法です。
5.小上がりをつくるなら、機能も収納もデザインする
せっかく小上がりをつくるなら、外の景色や光を取り込む窓の配置や壁面収納、段差収納にこだわって、よりおしゃれで便利な空間にデザインするとよいでしょう。
ちょっとした作業やテレワーク、学習に便利なカウンターや掘りごたつを設置すれば、くつろぐ以外にも活用の幅が広がるさらに快適な空間になります。
段差を活用した引き出し収納には、リビングや小上がりで使う小物から大型の荷物まで収納できるので、リビングでご家族と過ごしながらまたご家族の誰もが取り出し・片付けやすい無駄のない動線を叶えることができます。
将来の使い方が変わることも踏まえて、必要な時にフレキシブルに開け閉めできる仕切りや引き戸の設置を考えてみるのも良いでしょう。
6.まとめ~おしゃれな小上がりで使い勝手のいい空間と収納を手に入れる
リビングの一角に段差でほどよい境界をつくって新たな空間を確保する小上がりデザイン。
お子様のはじめての子供部屋として、ひと休みする時の特別空間として、幅広い使い道がある小上がり空間は特に和室を考えている世帯から支持を集めています。個室でもなくフラットでもない、ちょうどいいリビングとの一体感がご家族との快適な距離感を保つのに役立っています。
また、小上がり下の収納力が優れている、ほどよい段差で年をとっても立ち上がり時の膝への負担がかかりにくい、という理由でバリアフリーを希望するご家庭やフラットな平屋を選ぶご家族からも人気の設計です。
お好みのテイストや空間インテリア、段差の高さ、収納設備にこだわって、より快適で便利な小上がり空間をこれからの暮らしをデザインする新築に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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