注文住宅は住宅性能の高さや床面積、間取りなど、様々な要素によって価格に大きな幅が出てきます。
加えて、注文住宅では土地込みで購入するケースがほとんどです。その為、土地の購入価格によっても、注文住宅にかかる費用は変わってきます。
注文住宅の適正な価格を知る為に、統計からみる平均価格と、価格に影響する要素について確認していきましょう。
- 注文住宅の適正価格を知る為には、全国とお住まいの地域それぞれの「建築費と土地の平均価格」を目安にできます。
- 平均価格で建てる注文住宅を「家族の理想の家」「満足できる家」にする為には、建築費と土地の費用の割合、建築費の割り振りのバランスが大切です。
Contents
施工事例
注文住宅の平均価格を知る意味
家づくりは、「新しい家で始まる理想の暮らしへの夢」が原動力となって進められていきます。その夢を実現する計画の基になることは、家づくりに充てられる予算です。
準備段階では、家族の望む理想の家にする為に、モデルハウスを見学したり、ネットで情報を集めたりして、イメージを固めていくことと思います。
その際に、並行して進めなくてはならないことが資金計画です。なぜなら家づくりにかけられる予算によって、家づくりの内容が変わってくるからです。
資金計画を進める準備として、どの程度の予算が必要なのかを知る為には、注文住宅の平均価格が参考になります。
注文住宅の価格に影響すること
○ 家族全員がゆったりと暮らせるだけの床面積
○ どの季節も心地よく過ごせる室内環境を確保する住宅性能
○ 暮らしやすい動線を備え、室内環境を調える間取り
○ 家族の好みに合う外観と内装のデザイン
○ 家族の命と財産を守る耐震性能
家づくりには欠かせない要素は多数あります。そして一つ一つの要素の中に、さらに多数の選択肢があります。選んだ要素一つ一つの高め方、こだわり方によって、注文住宅の価格は変わっていきます。
それでは、具体的にどのような家が、どの程度の費用で建てられるのでしょうか?その目安となる数字が統計からみる注文住宅の平均価格です。
平均価格の住宅は、極端な贅沢さはないが、家づくりに欠かせない要素は全て備えている家、つまり十分に暮らしやすい家と捉えることができます。
ただ、この平均価格は地域によって大きな違いがあります。土地の価格が高額な都心部では、土地の購入費と建築費のバランスが他の地域とは異なるからです。その為、平均価格を調べる際には、全国の平均価格よりお住まいの地域の平均価格の方が参考になります。
注文住宅の平均価格
首都圏の注文住宅の建築費
現在はこの調査の時点より価格が上がっていますが、国土交通省が令和3年度に行った住宅市場動向調査では、首都圏の注文住宅の建築費は、土地の購入費を別にして3,459万円でした。
全国と地方での価格の差
次に地域別の平均価格をフラット35利用者調査で見てみましょう。この調査はフラット35を利用して注文住宅を建てた人を対象にしています。その為、フラット35を利用せずに注文住宅を建てた人は含まれていません。
ただ、フラット35を利用して住宅を購入する人が多いことと、その結果、調査の対象者の数が非常に多いことから、平均的な数字として考えて良いと思います。国土交通省もフラット35利用者調査のデータを、資料の参考として採用しています。
注文住宅の所要資金
- 全国平均3,572万円
- 首都圏3,899万円
- 近畿圏3,778万円
- 東海圏3,650万円
土地付注文住宅の所要資金
- 全国平均4,455万円
- 首都圏5,133万円
- 近畿圏4,658万円
- 東海圏4,379万円
所要資金 申込時点における予定建設費と土地取得費を合計したものである。
引用:フラット35 用語の解説
という解説がありますので、所要資金は注文住宅では建築費、土地込み注文住宅では土地の購入費と建築費の合計と捉えられます。
土地の価格と建築費のバランス
土地込みで注文住宅を計画する場合、土地の価格によって建築費に充てられる費用が変わってきます。そして土地の価格は地域によって異なります。
家を建てたい地域の土地の価格を調べる方法
適正な価格で土地を購入する為には、お住まいの地域の土地の価格を調べることが大切です。
お住まいの地域の土地の価格と、地域別の注文住宅の平均価格を合計すると、おおよその土地込み注文住宅の平均価格が割り出せます。
土地の価格は国土交通省の土地総合情報システム、又はレインズで具体的な地名と希望する面積で対象を絞って検索できます。
土地の探し方で建築費が変わる
暮らしやすい家の条件には、家そのものに関わることと、立地に関わることがあります。どんなに快適に暮らせる家であっても、家族の暮らしにそぐわない立地条件であれば、暮らしやすい家にはなりません。
一方、利便性や環境の良さを求めれば求めるほど、土地の価格は高額になっていきます。ここで大切なことは、家そのものの暮らしやすさに関わる建築費と、利便性や環境の良さに関わる土地の購入費のバランスです。
理想の家を実現するためには、予算の制限内でこの2つをバランスよく組み合わせなくてはならないのです。
また、平屋と2階建てでは、必要な敷地面積が変わってきます。平屋で2階建てと同じ居住面積を得ようとすれば、必要な敷地が広くなっていきます。
隣家との距離や周辺の環境によっては、より敷地を拡げないと日当たりや風通し、プライバシーを確保できない家になってしまう可能性もあります。
土地探しの際には、利便性と共に「建てる家の階数に合った周辺環境」であることにも配慮が必要です。そして土地に充てられる予算は、全体の予算から建築費の平均価格を差し引いて割り出せます。
ただ、地域にもよりますが、「予算の範囲内ですべての希望を満たす土地」を見つけることは至難の業です。その為、平均価格と同程度の建築費を残すためには、土地探しの際に、優先順位を決めておくことが役立ちます。
例えば、駅から10分以内にこだわらずバス利用も視野に入れる、急行が停まらない駅も候補に入れる、買い物は徒歩以外にも車利用を検討するなどの譲歩できる点を、家族の暮らし方に合わせてリストアップしていきます。
同時に治安の良さや、子育てに向いている環境などの譲れない点は守っていきましょう。譲れない点と譲歩できる点の明確さが、予算内に収まる土地探しに役立ちます。
【関連コラム】:【新築】平屋の家を建てる費用を建てる費用はいくら?|平屋と二階建てとの費用の違いも解説します
全国の平均価格3,572万円で建てられる家
「ご夫婦と子ども2人の家族がゆったり暮らせる40坪程度の家」を全国の平均価格3,572万円で建てると、どのような家を建てられるのでしょうか?
住宅性能
長期優良住宅やZEHを視野に入れた家を建てられます。少ないエネルギーで季節に応じた快適な室温を維持できる家、大地震が発生しても被害を受けない家が実現します。
住宅設備機器のグレード
キッチンや浴室などに使う水回りの住宅設備機器は、グレードによって100万以上の価格差が発生します。その為、全てを最高グレードの住宅設備機器にはできない可能性が高いですが、部分的に標準仕様よりも高グレードな設備機器を採用できます。
内装
内装の素材は室内の空気環境や、清潔さの維持、室内の雰囲気に影響します。
無垢材や漆喰の塗り壁などの自然素材を使うと、空気環境が調えやすくなります。また、合成素材の中には汚れにくい機能を持つタイプがあり、手軽に清潔な環境を維持しやすくなります。ただ、自然素材や機能付き素材は材料費が高めです。
一方、費用を抑える為に、安価な合成素材を使うと、子どもがアレルギーを発生するなどの問題が発生する恐れがあります。
もちろん、合成素材に中には、優れた製品も多く、その全てが有害な化学物質を揮発させるということはありません。
加えて、内装の素材の色や質感は室内の雰囲気に大きく影響します。天井、壁、床は意識しなくても常に視界に入ってきます。その為、家族が居心地よく感じる色と質感であることも大切です。
この価格帯であれば、空気環境を調えやすい自然素材も、防汚機能などのある機能的な合成素材も、好みに合わせて自由に選べます。
また、部分的に「最高級のクロスを使い内装のアクセントにする」というようなこともできます。
間取りと窓
敷地周辺の環境に合わせた間取りと窓は、日当たりや風通しを良くすると共に、家族のプライバシーを守ります。吹き抜けは日当たりと風通しを良くし、ダウンフロアと組み合わせるとより空間にアクセントができます。
連窓やドレーキップ窓などは、壁に沿って逃げていく風を室内に採り入れて換気を良くすると共に、気密性を向上させます。
低予算だとなかなか採り入れにくい要素ですが、平均価格3,572万円であれば、全てとまではいかなくても、部分的に引き違い以外の開き方タイプの窓を採り入れていけます。
平均価格3,572万円で建てる家は、快適な室内環境が調えられ家であり、部分的な贅沢もできる家です。全体予算に対して土地と建築費のバランスが大切ですが、こだわりを実現させる為には建築費の中での割り振りも大切です。
【関連コラム】:【30坪の土地】間取りではどんなことができる?|土地の良さを活かした家づくりのポイントを紹介
平均価格で満足できる家を建てる為に必要なこと
ダウンリビング・吹き抜けなど、空間やつながりを意識した素敵な住まい
家族構成と家族の暮らし方、価値観に合わせてどの部分に予算を多くかけ、どの部分を削るのかということを決めていきましょう。
予算内でプランを進める
「予算内で希望を叶える為にできることを探す」という部分が家づくりで最も大変な部分です。
その部分を良い結果に導くため、設計士や施工会社とは度重なる打ち合わせを重ねていきます。この打ち合わせの充実度が、平均価格で満足できる家になるかどうかの分かれ目です。
一方的に会社側のプランを押し付けてきたり、家族の希望を伝えても理解が足りなかったりする相手であれば、家族の想いの実現は遠のいてしまいます。
一方、「希望は全て叶えられたが、大幅に予算オーバーしてしまった」という結果になることがないとは言えません。そうなってしまうと、暮らし始めてから住宅ローンの返済に圧迫される恐れがあります。
その為、家づくりに向けての話し合いの中で、設計士や施工会社からの「予算内に収まるプランの提案力」や、「予算オーバーへの暴走を押しとどめるアドバイス」がとても助けになります。
家族の価値観や好みに合った家を見つける
住宅は建築する会社によって変わります。外観や内装のデザインだけをとっても、モダンなデザインが得意な会社から和風住宅に特化している会社まで様々あります。
また、「住宅性能にこだわっているが、デザイン的には凡庸な家」を建てる会社もあれば、「圧倒的なデザイン力を備えているが、住宅性能は最小限の家」を建てる会社もあります。
そのように特徴が異なる建築会社の中から、3つのポイントを満たして理想の家を建てられる施工先を見つけることが重要です。
- 家族の好みと価値観に合う外観と内装のデザイン
- 家族が望む室内環境が調う家
- 大災害が発生しても安全な家
この3つのポイントを予算内で実現する建築会社との出会いが、理想の家の実現に繋がります。モデルハウスを回って、家族の好むデザイン性のある会社を見つけたら、住宅性能など、家づくりへのこだわりをチェックしてみましょう。
モデルハウス見学は、見た目だけではなく、居心地の良さや暮らしやすさを体感できるので、建築会社選びの大きな助けになります。
見学の際には、その場の雰囲気に飲まれてしまうのではなく、家族が建てたい家の条件と予算を考えながら見学することが大切です。
たくさんのモデルハウスを見学する中で、家族の思う理想の家を建てられる建築会社を見つけることが、家づくり成功への鍵です。
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アクティエは暮らしをデザインする建築会社です。
「優れたデザイン性と快適で安全な暮らしを支える高い住宅性能」で家族の想いを現実にします。入居後の保証・アフターフォロー体制も確立されています。
家づくりの準備から完成までの期間を、ご家族の希望に寄り添いながら進めてまいります。家づくりを検討される際には、夢の実現をお手伝いさせてください。
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